2009年04月26日

麺の話21

ラーメン店主の悩みのタネでもあり、ラーメンフリーク方々の話題のネタでよくある「麺とスープの相性」についての個人的見解を。

麺を生かすタイプの出汁はイロイロあると思うが、コレは地域や国単位で結構違う。

私が修行した「関西料理」は麺を生かす出汁として「昆布、鰹の一番出汁に追い鯖節」と教わった。私の作る麺類のほぼ全てにこれを用いている。

洋食では主にオリーブオイルや赤唐辛子が使われる。最近自分で「トマトソース」を作るのだが、これも麺の味を生かす、よく考えられた物だとも思った。生クリーム系は麺の味を生かすというより、麺に味を絡める。と言ったほうが良いような気がする。

中華なんかは、やはり「鶏」主体の塩味スープなのだろう。「湯麺」(タンメン)なんかはその典型だが、違う例の一つとして、「肉味噌」のようなものも使い、麺に絡めていくが、洋食の「ラグー」も同じような感じで、やっぱり麺に絡めるという方がふさわしい。

で、セオリー的には、麺自体の味を生かしたいのであれば味付けはシンプル、かつアッサリであろうし、麺を「具」としたいのであれば濃厚で、コッテリ、絡みやすいソースのような出し汁になる。
極端な例は「ラザニア」や「ペペロンチーノ」のような感じなのかも知れない。

私は麺と出汁の相性はものすごく大事な事だと思っている。
事実、豊中麺哲は麺にコーチンの卵をつなぎに使うが、この麺を生かすのは絶対ににコーチンの出汁なのである。他の鶏を使うのはあまり意味はないと考えている。(実際はそんなことないと思うがあくまで持論です。)
内モンゴルかん水を使うので、味付けの柱である塩も内モンゴル自然塩、関西料理で培ったセオリーから昆布、鰹、鯖、等、私の中でのセオリーどおりに組み立てられた味でもある。

話を変えて、「製麺的セオリー」もあるにはある。
濃厚なスープほど、麺は加水を低く、太めな麺で歯ごたえの強い食感に。
アッサリしたものは加水を上げて、細めの麺でしなやかななじみの強い食感。である。
が、これは大方の場合であって、必ずそうなるとは限らない。
それと最近形状太さよりも、加水率での相性的セオリーの方が優先されるのはないかなと感じることが多くなった。

しかし、本当に大切なのは、麺とスープの相性を決定づけるのはあくまで「茹で方、仕上げ方」であることをハッキリ言いたい。
いくら質の良い麺であっても、生茹でや茹で過ぎにしては相性などあったものではない。また、気持ちのこもった、シッカリ仕事された麺と、そうでない麺とも比較にはならない差がある。麺には「製麺半分、ゆで方半分」だと思う。

それとこれも持論だが「スープと麺の相性の話」は「食べ手」が決めるのではなくあくまで「作り手」が決めるのである。誰がなんと言おうと作り手がラーメンを出してきたら、それが全てだ。明らかに麺とスープのバランスが悪い場合でも、その一杯が作り手のセンスだしそれが作り手の「味」なのだ。それを相性の話にすることはない。ましてやラーメンの「味」はスープのみで決まるのではなく、麺の味、トッピングの味も全て「作り手の味」なのである。麺とスープが「合っていない」時は「そのラーメンは好みではない」これで十分だ。それ以上の話をするのは作り手に感想を求められた場合にあくまで「感想」として申し上げるべきである。

過去に、フリークの方々に一時期多かった質問が「加水は何%ですか」「麺の番手は何番ですか?」といったものがあった。
正直申し上げて「聞いてなんになるの?」と思う。

加水を上げ下げ?、圧延回数?、ちぢれ?ストレート?番手?そこまで知る必要があるのだろうか?
ぶっちゃけ、ご興味がおありなら、ラーメン職人になれる素質が十分おありと判断できる。
実際麺を打って、ラーメン屋さんにもっていくといいと思う。もしくはご自分で開業されてはどうか?

思い切って書いてしまったが、個人的見解である。

まあ、どう思われるかは人それぞれなのだが。
posted by 赤シャツ at 21:23| 日記